育休もらえる?

つわりの欠勤で育休手当を逃す?妊娠中の「休み方」が受給を左右する

公開 2026-06-08 ・ 更新 2026-06-10

つわりや切迫流産で会社を休む。妊娠中にはよくあることですが、その休み方しだいで育児休業給付金の受給条件が崩れることもあれば、逆に有利になることもあります。同じ「休む」でも結果が真逆に振れるので、知っておくと判断が変わります。

分かれ目は2つです。有給で休むか無給で休むか。そして、無給の休みが連続30日以上になるかどうか。

なぜ、つわりの休みで条件が崩れるのか

受給条件のひとつは、育休前2年で「賃金支払基礎日数が11日以上ある月」が12か月あること。この賃金支払基礎日数には、実際に働いた日と有給休暇の日は含まれますが、無給の欠勤は含まれません賃金支払基礎日数の範囲は厚労省パンフ2025改訂版 記載例の欄説明

つまり、つわりがひどくて無給で何日も欠勤すると、その月の賃金支払基礎日数が11日を割り込み、その月が「条件を満たさない月」になってしまうことがあります11日要件は厚労省パンフ2025改訂版 p.10。ぎりぎりで12か月を狙っている人ほど、この1か月の欠落が痛手になります。

分かれ道は「有給を使うか、無給で休むか」

最初の分岐点がここです。同じ「5日休む」でも、有給休暇を充てればその5日は賃金支払基礎日数に数えられます。出勤8日に有給5日を足せば13日となり、11日要件をクリアできます。一方、無給で欠勤すると数えられるのは出勤8日だけ。11日に届かず、その月はカウントされません。

体調と相談のうえですが、受給要件という観点だけで見れば、有給を充てたほうが条件達成には有利です。残っている有給を妊娠中の休みにどう配分するかは、判定に直結します。

連続30日以上の無給なら、むしろ味方になる

ただし、無給の休みがいつも不利になるわけではありません。無給の休職が連続30日以上続いた場合は、受給要件の「緩和(2年→最長4年)」の対象になります。緩和では、無給で連続30日以上休んだ日数のぶんだけ、判定対象の2年の窓が過去へ延びます。長期の無給休職は、条件を崩すどころか判定できる期間を広げてくれるわけです。出産手当金を受け取っていても、休業そのものが無給なら対象になり得ます(詳しい仕組みは「「2年→最長4年」延長のほんとの仕組み」を参照)。

いちばんもったいないのは、無給の欠勤が連続30日に届かない範囲でとびとびに出るパターンです。月の基礎日数は削るのに、緩和の対象にもならない。どちらの恩恵も受けられない状態になりがちです。

整理すると、有給を充てて休めば条件達成に有利、無給でも連続30日以上の休職なら窓が延びてプラスに働く、その中間の「無給・短期・とびとび」がいちばん不利、という関係になります。

とびとびの欠勤は、医師の診断で「連続の休職」に変えられる

ここまで読むと、いちばん不利な「無給・短期・とびとび」から抜け出す道が見えてきます。つらい日だけ無理に出勤と欠勤を繰り返すのではなく、主治医に相談して「休業が必要」という指導を受け、まとまった休職に切り替えるという選択です。

このとき使えるのが母性健康管理指導事項連絡カード(母健連絡カード)です。妊娠悪阻(重いつわり)や切迫流産などで主治医が休業を指導した場合にこのカードを会社へ提出すると、会社は男女雇用機会均等法13条に基づいて休業などの措置を講じる義務があります母健連絡カードの仕組みは厚労省「働く女性の心とからだの応援サイト」。診断書でもかまいませんが、専用様式である母健連絡カードのほうが事業主への伝達を想定して作られています。

収入面の不安には、健康保険の傷病手当金があります。連続3日の待期のあと4日目から、おおむね給与の3分の2が支給されます支給条件は協会けんぽ「病気やケガで会社を休んだとき」。傷病手当金は健康保険からの給付であって会社が払う「賃金」ではないため、受け取っていても休業そのものが無給なら緩和の対象になり得ます。出産手当金と同じ理屈です。逆に、休職中に会社から賃金が一部でも支払われると、その期間は「賃金の支払いを受けることができなかった期間」に当たらず緩和の対象外になる点には注意してください有給での休業は緩和対象外(業務取扱要領59523)

もちろん、休職にするかどうかは体調が最優先で、給付金のために決めることではありません。ただ「どのみち働ける状態ではない」のなら、とびとびの欠勤のままにせず医師と会社に相談して連続の休職として整えるほうが、体にも判定にも合理的な場面は多いはずです。実際の取り扱いは会社の休職制度にもよるため、手続きの前に会社の人事とハローワークに確認しておくと安心です。

自分の休み方で、結果がどう動くか確かめる

つわりや切迫の休みは、有給か無給か、休んだ日数や連続性で結果が繊細に動きます。本サイトの判定ツールは、欠勤・有給・休職を1日単位で入力でき、それぞれが賃金支払基礎日数や緩和にどう効くかを反映して判定します。「この休みを有給にしたら」「連続30日まで延ばしたら」と条件を変えて、結果の動きを確かめてみてください。制度の公式案内は厚生労働省「育児休業等給付について」制度の公式案内にあります。

無料の判定ツール あなたの場合、もらえる?を確かめる 出産日と勤務状況を入れるだけ。ブラウザ内で完結・登録不要。 判定する →
運営者:なかじ(nkjzm.jp)。このサイトは、妻の“週3+副業”という働き方で育休給付金をもらえるか分からず悩んだ経験から作りました(作った理由)。本サイトの解説は雇用保険法および厚生労働省の資料に基づいて作成しています。詳しくは運営者情報をご覧ください。

※ 本記事は参考情報です。個別の受給可否の最終判定は、管轄のハローワーク(公共職業安定所)で行われます。