育休もらえる?

パート・週3・時短でも育休手当はもらえる|カギは「出勤日数」じゃない

公開 2026-06-08 ・ 更新 2026-06-08

月11日。賃金の支払い対象になった日がこれ以上ある月が、育休前の2年間で12か月そろえば、週5のフルタイム正社員でなくても育児休業給付金は受け取れます(雇用保険に入っていることが前提です)。「パートだから」「時短だから」と調べるのをやめてしまうのは、もったいない誤解です。シフト勤務でも、週3でも、契約社員でも、もらえる可能性は十分にあります。

判定を分けるのは勤務形態そのものではありません。「その月に、賃金の支払い対象になった日が何日あったか」です。ここさえ押さえれば、自分が届きそうかどうかの見当がつきます。

なぜ「正社員前提」の解説は当てにならないのか

ネットの解説の多くは、週5フルタイムを暗黙の前提にしています。「毎月ふつうに働いていれば条件は満たせる」という書き方になりがちで、出勤日数が少ない人や月によって変動する人にとっては、自分が当てはまるのか読み取れません。

実際の条件は「正社員かどうか」「週何日か」では決まりません。見るのは次の2つだけです厚労省パンフ2025改訂版 p.10。ひとつは育休を取る時点で雇用保険に加入していること(週の所定労働時間20時間以上などが目安)。もうひとつは、育休開始前の2年間に「賃金支払基礎日数が11日以上ある月」が12か月以上あることです。勤務形態が効いてくるのは、後者だけです。

数えるのは「出勤日数」じゃない|賃金支払基礎日数の正体

ここが一番の勘違いポイントです。数えるのは出勤した日数ではなく「賃金支払基礎日数」、つまりその日の賃金を支払う基礎になった日です。実際に働いた日(出社でも在宅でも)に加えて、年次有給休暇を取った日や、休業手当が支払われた日も含まれます賃金支払基礎日数の範囲は厚労省パンフ2025改訂版 記載例の欄説明。逆に、無給で休んだ欠勤は数えません。土日祝などの公休は、もともと労働日ではないので関係ありません。区分の詳しい数え方は「賃金支払基礎日数の数え方」で整理しています。

大事なのは、月11日というのは思ったほど高いハードルではないということです。週3勤務でも、月によっては出勤が11日を超えますし、有給を使った日も足されます。「週3だから絶対に届かない」とは限らず、1か月ごとに届いた・届かなかったを見ていく話になります。

11日に届かない月も、「80時間ルール」で救われる

出勤日数が少なかった月は、賃金支払基礎日数が11日に届かないことがあります。そういう月のための救済が80時間ルールです。賃金支払基礎日数が11日に満たなくても、賃金の支払い基礎になった時間数が80時間以上あれば、その月を1か月として数えられます2020年8月1日以降の月が対象・LL020615保01

効くのは、出勤日数が10日以下まで減った月です。たとえば月10日でも、1日8時間働いていれば合計80時間に達するので、日数は11日に1日届かなくても、その月はカウントされます。逆に1日の労働時間が短いと、80時間に積むには11日以上の出勤が必要になり、その場合は日数のほうで先に要件を満たします。つまりこのルールが効くのは「日数は少ないが1日は長い」働き方の月です。労働時間の記録を残しておくのがポイントになります。仕組みの詳細は「11日に1日足りないを救う80時間ルール」を参照してください。

3つの月で見る、カウントされる月・されない月

考え方を3つの月で見てみます。週3パートで1日7時間、月12日出た月なら、賃金支払基礎日数は12日。これで11日要件はクリアです。一方、出勤が月9日まで減り、1日6.5時間ほどだった月は、合計およそ58時間。日数(9日)でも時間(58時間)でも届かず、この月はカウントされません。逆に、出勤は月10日と少なくても1日8時間働いた月は、合計80時間。日数は11日に1日届きませんが、80時間ルールでこの月はカウントされます。

このように、同じ働き方でも「日数で通る月・時間で通る月・どちらも届かない月」が混ざります。受給できるかは12か月ぶんの積み上げで決まるので、全体の印象ではなく、一月ずつ実際の日数と時間を数えるのが確実です。

あなたの勤務形態で、12か月に届くか確かめる

12か月ぶんを手計算で追うのはかなり骨が折れます。本サイトの判定ツールは、月ごとに賃金支払基礎日数と時間を集計し、11日要件と80時間ルールを自動で当てはめて、12か月に届くかを判定します。有給を使った月や、出勤が減った月を入れて、結果がどう動くかを試してみてください。

なお、雇用保険の加入状況や個々の月の扱いは、給与明細や雇用保険被保険者証でも確認できます。制度全体の案内は厚生労働省「育児休業等給付について」制度の公式案内にまとまっています。

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運営者:なかじ(nkjzm.jp)。このサイトは、妻の“週3+副業”という働き方で育休給付金をもらえるか分からず悩んだ経験から作りました(作った理由)。本サイトの解説は雇用保険法および厚生労働省の資料に基づいて作成しています。詳しくは運営者情報をご覧ください。

※ 本記事は参考情報です。個別の受給可否の最終判定は、管轄のハローワーク(公共職業安定所)で行われます。