賃金支払基礎日数の数え方|有給は数える・無給欠勤は数えない
同じ5日の休みでも、有給で休んだか無給で休んだかで、その月が育児休業給付金の「1か月」に数えられるかどうかが変わります。育休の受給要件で出てくる「賃金支払基礎日数11日」は、出勤した日数とは別物だからです。ここを出勤日数と勘違いすると、本当はクリアしている月を「足りない」と誤解してしまいます。
賃金支払基礎日数とは、その日の賃金を支払う基礎になった日のこと。実際に何日働いたかではなく、「賃金が出る扱いになった日が何日あったか」で数えます。この違いが、有給と欠勤で結果を分けます。
数える日・数えない日の線引き
数える日は3種類です。出社・在宅を問わず実際に働いた日、年次有給休暇を取った日、そして休業手当など賃金が支払われる特別休暇の日です賃金支払基礎日数には有給休暇・休業手当の対象日を含む・厚労省パンフ2025改訂版 記載例の欄説明。休業手当は、会社都合の休業のときに労働基準法26条で支払いが義務づけられているもので、賃金が出ている以上は基礎日数に入ります休業手当の対象日も賃金支払基礎日数に含まれる・厚労省パンフ2025改訂版。
逆に数えないのは、無給で休んだ欠勤です。賃金の支払い対象になっていないので、出勤しなかった日として基礎日数には足されません。ここが有給と決定的に違う点で、「5日休んだ」という事実が同じでも、有給なら5日ぶん数に入り、無給欠勤なら0日です。
土日祝などの公休は、そもそも数える・数えないという話の外にあります。もともと労働日として設定されていない日なので、出勤義務がなく、基礎日数の判定対象になりません。週休2日の人が「休んだ土日もマイナスに響くのでは」と心配する必要はありません。
なぜこの日数が受給を左右するのか
育児休業給付金をもらうには、育休開始前の2年間に「賃金支払基礎日数が11日以上ある完全月」が12か月以上必要です支給要件②・厚労省パンフ2025改訂版 p.10。この「11日以上」を数えるときの分子が、まさに賃金支払基礎日数です。受給要件の全体像は受給要件のまとめで確認できます。
だからこそ、有給か無給かの区別が効いてきます。たとえば体調を崩して月の半分を休んだ月でも、有給を充てていれば基礎日数は減りません。一方、同じだけ無給欠勤していれば、その月は11日に届かず12か月のカウントから外れる可能性があります。「つわりで欠勤が続く時期の落とし穴」でも、この有給・無給の差が判定を分けます。
数えてみると分かる「同じ休みでも違う結果」
週4勤務の人で考えてみます。ある月の労働日が16日あり、そのうち実際に出社したのが9日、残り7日を休んだとします。この7日を年次有給休暇で取れば、出社9日+有給7日で賃金支払基礎日数は16日。11日を余裕で超え、その月はカウントされます。
ところが同じ7日を無給欠勤で休んだ場合、数えるのは出社した9日だけ。賃金支払基礎日数は9日となり、11日に届かず、この月はカウントされません。出社日数も休んだ日数もまったく同じなのに、有給か無給かだけで結果が逆になるわけです。
11日に届かなかった月でも、すぐに諦める必要はありません。賃金の支払い基礎になった時間数が80時間以上あれば、日数が足りなくてもその月を1か月として数えられる救済があります2020年8月1日以降の月が対象・LL020615保01。先ほどの、出社9日で11日に届かなかった月も、その9日の労働時間の合計が80時間以上あれば、時間で拾える可能性があります。詳しくは「11日に届かない月を救う80時間ルール」にまとめています。
自分の月が数えられるか確かめる
賃金支払基礎日数の考え方が分かっても、これを2年ぶん・12か月の積み上げで追うのは骨が折れます。本サイトの判定ツールは、月ごとに実労働・有給・休業手当の日を集計し、無給欠勤を除いたうえで、11日要件と80時間ルールを自動で当てはめて12か月に届くかを判定します。有給を充てた月と欠勤にした月で結果がどう変わるかも、入力を変えて試せます。
なお、各月の有給取得や賃金の支払い状況は、給与明細や勤怠記録で確認できます。最終的な賃金支払基礎日数の認定はハローワークが行うため、ぎりぎりのラインの月がある場合は、給与明細を持って管轄のハローワークに確認すると確実です。制度全体の案内は厚生労働省「育児休業等給付について」制度の公式案内にまとまっています。
無料の判定ツール あなたの場合、もらえる?を確かめる 出産日と勤務状況を入れるだけ。ブラウザ内で完結・登録不要。 判定する →※ 本記事は参考情報です。個別の受給可否の最終判定は、管轄のハローワーク(公共職業安定所)で行われます。