育休もらえる?

育休手当に税金はかかる?非課税・配偶者控除・住民税の落とし穴【2026年版】

公開 2026-06-23 ・ 更新 2026-06-23

育児休業給付金には、税金がかかりません。所得税も住民税も、給付そのものには一切かからない非課税のお金です。しかも税金の計算上の「所得」にも含まれないので、育休で年収が下がった年は、配偶者の扶養に入って配偶者控除を受けられることもあります。ただし住民税だけは別で、育休中も前年分の請求が続きます。ここが見落とされがちな落とし穴です。

育児休業給付は非課税

育児休業給付金は、雇用保険から支給される給付で、法律によって税金を課されないことになっています育児休業給付金は雇用保険法に基づく給付で課税されない・国税庁。所得税も、復興特別所得税も、住民税も、給付額そのものにはかかりません。額面で受け取った給付が、税金で目減りすることはないわけです。

これは、給与とは大きく違う点です。給与なら所得税が源泉徴収され、社会保険料も天引きされますが、育児休業給付金は非課税なうえ、育休中は社会保険料も免除されます。育休中にかかるお金・かからないお金を整理すると、次のようになります。

項目 育休中の扱い
所得税・復興特別所得税 給付は非課税。給与がなければかからない
住民税 前年の所得に対する分は課税が続く(納付が必要)
健康保険・厚生年金保険料 申請により免除(将来の年金額は減らない)
雇用保険料 賃金が支払われなければ負担なし

住民税の行だけ「課税が続く」となっているのが、後で説明する落とし穴です。それ以外は非課税か免除なので、額面の給付率が67%でも、手取りで見ると休業前の約8割が残ります。社会保険料の免除のしくみは「育休中の社会保険料はどうなる?」で、給付率と手取りの全体像は「育休中のお金はいくら?」で整理しています。

所得に含まれないから、配偶者控除のチャンス

育児休業給付金は非課税であるだけでなく、税金の計算上の「合計所得金額」にも含まれません育児休業給付金は配偶者控除等の判定上の合計所得金額に含まれない・国税庁。これが効いてくるのが、配偶者控除・配偶者特別控除です。

育休で1年の多くを休むと、その年の給与収入は大きく下がります。給付金をいくら受け取っていても、それは所得に数えないので、判定にはその年の給与収入だけを使います。結果として本人の所得が一定以下になれば、配偶者(たとえば夫)が配偶者控除や配偶者特別控除を受けられる場合があります。普段は共働きで対象外だった世帯が、育休の年だけ控除を使える、ということが起こります。

たとえば、普段は年収400万円で夫の扶養とは無縁だった妻が、年の前半で育休に入ったとします。その年の給与収入が103万円以下に収まれば、給付金を何十万・何百万円受け取っていても、夫はその年の年末調整で配偶者控除(最大38万円の所得控除)を受けられます。給与収入が103万円を超えても201万円程度までは、配偶者特別控除として段階的に控除が使えます配偶者控除は配偶者の合計所得金額48万円以下(給与収入103万円以下)で最大38万円・国税庁 No.1191。控除額のぶん夫の所得税・住民税が軽くなるので、世帯としては小さくない差になります。

年末調整でも、育児休業給付金は非課税なので収入として書きません。年の途中まで給与があった人は、すでに源泉徴収された所得税が払い過ぎになっていて、年末調整で還付されることもあります。配偶者の控除を使えるかどうかは、配偶者側の年末調整で申告するので、育休に入った年は世帯で一度確認しておくと取りこぼしを防げます。

住民税だけは、前年の所得で請求が続く

非課税づくしのなかで、ひとつ例外があります。住民税です。住民税は、その年に課税されるのではなく、前年の1月から12月までの所得をもとに計算され、翌年度に課税される「前年所得課税」のしくみだからです住民税は前年の所得をもとに翌年度に課税される(前年所得課税)・総務省

つまり、育休で今年がほぼ無給でも、前年に働いて所得があれば、今年度の住民税は発生します。育児休業給付金が非課税でも、それは「育休給付に住民税がかからない」という話であって、前年の給与に対する住民税まで消えるわけではありません。給与天引き(特別徴収)ができなくなるぶん、自分で納める納付書(普通徴収)に切り替わったり、復帰後の給与からまとめて天引きされたりします。

ここを知らないと、無給のはずの育休中に住民税の納付書が届いて驚くことになります。育休に入る前に、住民税の支払い方法がどうなるかを勤務先に確認しておくと安心です。

社会保険料は免除される

税金ではありませんが、家計に直結するものとして社会保険料があります。健康保険料と厚生年金保険料は、育休中は申請により免除されます。しかも免除されても将来の年金額は減りません。条件や手続きは「育休中の社会保険料はどうなる?免除の条件としくみ」で詳しく整理しています。税金(非課税)と社会保険料(免除)の両方が効くことで、育休中の手取りは額面より厚くなります。

まず受け取れるかを確かめる

税金や手取りの話は、育児休業給付金を受け取れることが前提です。受給には育休開始前2年間に賃金支払基礎日数11日以上の月が12か月以上必要で、考え方は受給要件のまとめにまとめています。本サイトの判定ツールで、まず受け取れる見込みがあるかを確かめておくと、その後のお金の見通しも立てやすくなります。税金の具体的な取り扱いは個々の事情で変わるため、配偶者控除や住民税の判断に迷う場合は、勤務先や市区町村、税務署に確認すると確実です。

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運営者:なかじ(nkjzm.jp)。このサイトは、妻の「週3+副業」という働き方で育休給付金をもらえるか分からず悩んだ経験から作りました(作った理由)。本サイトの解説は雇用保険法および厚生労働省の資料に基づいて作成しています。詳しくは運営者情報をご覧ください。

※ 本記事は参考情報です。個別の受給可否の最終判定は、管轄のハローワーク(公共職業安定所)で行われます。