育休もらえる?

育休を数か月ずらすと判定がどう変わる?「2年の窓」が丸ごと動く話

公開 2026-06-08 ・ 更新 2026-06-08

育休をいつ始めるかで、受給できるかどうかが変わることがあります。産後すぐに取るか、復職してから数か月後に取るか——同じ働き方でも、結果が逆になるケースがあるのです。理由は、受給要件をチェックする「2年間の窓」が、育休開始日を基準に丸ごと前後に動くからです。

ポイントは一つだけ。判定の窓は「育休開始日の前日から2年さかのぼった範囲」厚労省パンフ2025改訂版 p.10。だから開始日を後ろにずらせば、見られる2年間もそっくり後ろにずれます。窓に入る12か月の中身が入れ替わる、というのがこの記事の核心です。

育休開始日は、後ろにずらせる

育児休業の開始日は、デフォルトでは「出産日+産後56日+1日」、つまり産後休業が明けた翌日です。多くの人はここから連続で育休に入ります。

ただ、いったん復職してから数か月後に育休を取るパターンもあります。会社と相談して開始日が決まっているなら、判定もその実際の開始日にあわせて後ろ倒しできます育児休業は子が1歳になるまでの間で取得時期を調整できる・制度の公式案内。本サイトの判定ツールでも、この「実際の育休開始日」を指定できるようになっています。

開始日を動かすと、窓ごと動く

ここが一番のキモです。判定窓は固定された期間ではなく、育休開始日にぶら下がって動きます。

たとえば育休開始日が2026年4月15日なら、見られるのは2024年4月15日から2026年4月14日まで判定対象期間=育休開始日の前日から2年・業務取扱要領59523。これを3か月後ろの2026年7月15日に変えると、窓は2024年7月15日から2026年7月14日へとまるごと3か月ぶんスライドします。

このとき何が起きるか。窓の手前(古い側)からは2024年4〜6月が外れ、窓の後ろ(新しい側)には2026年4〜6月が新しく入ってきます。要件は、この窓の中に「賃金支払基礎日数11日以上(または賃金の基礎になった時間が80時間以上)の月」が12か月あるか受給要件②・厚労省パンフ2025改訂版 p.10、で判定されます。窓の中身が変われば、数えられる12か月の顔ぶれも変わるわけです。

有利になる場合、不利になる場合

ずらすことが得か損かは、窓に出入りする月の中身しだいです。

不利になりやすいのは、復職後の数か月をまだ働けていない、あるいは時短で出勤が少ないケースです。育休開始を後ろにずらすと、その「働けていない直近の月」が窓に多く入り込み、逆に過去のしっかり働いていた古い月が窓から押し出されます。数えられる月が減って、12か月に届かなくなることがあります。

逆に有利になることもあります。たとえば窓の古い側に、産休前で出勤が少なかった月や、まだ雇用保険に入っていなかった月が並んでいる場合。開始日を後ろにずらすと、その不利な古い月が窓から外れ、代わりに復職してしっかり働いた新しい月が入ってきて、12か月に届く、という流れです。

1か月の差で結果が動く例

具体的に見てみます。出産後に復職したものの、最初の3か月は慣らしで月8日ほどの出勤、その後は月15日に戻したとします。

産後すぐ(産休明けの翌日)を開始日にすると、窓の新しい側には産休・出産前後の出勤が少ない月が並び、ぎりぎり12か月に届かなかったとします。一方、復職してフルに働いた月を窓の中に取り込めるよう開始日を半年ほど後ろにずらすと、月15日で働いた月が複数入り、足りなかったぶんを補える、というケースが起こり得ます。逆のパターン、つまり後ろにずらしたせいで慣らし期間の少ない月ばかりが窓に入って届かなくなる、ということも同じくらい起こります。

大事なのは、「1か月開始日をずらしただけで、窓の端で1か月が入れ替わる」という繊細さです。ぎりぎりのラインにいる人ほど、開始日の置き方で結果が反転しやすくなります。

自分の場合はどう動くか、試してみる

どの開始日が有利かは、窓に入る12か月を一つずつ数えないと見えてきません。手計算で、開始日を変えるたびに窓を引き直して数え直すのは骨が折れます。

本サイトの判定ツールは、育休開始日を指定すると、その日を基準に2年の窓を引き直し、月ごとの賃金支払基礎日数と時間を集計して12か月に届くかを自動で判定します。開始日を産後すぐにした場合と、数か月後ろにした場合とで、結果がどう変わるかを並べて試してみてください。受給要件そのものの全体像は受給要件のまとめも参考になります。

最終的な開始日の扱いや窓の区切りは個別事情で変わることがあるため、確定前にお近くのハローワークで確認することをおすすめします。制度全体の公式案内は厚生労働省「育児休業等給付について」制度の公式案内にあります。

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※ 本記事は参考情報です。個別の受給可否の最終判定は、管轄のハローワーク(公共職業安定所)で行われます。