育休もらえる?

転職した人の「12か月」はどう数える?完全月の区切りは会社ごとに変わる

公開 2026-06-11 ・ 更新 2026-06-11

A社の最後の月に6日、B社の最初の月に6日。合わせて12日働いたから「11日以上の月」が1つできる——とはなりません。転職をまたぐ月は、そもそも作られないからです。育休給付金の「12か月」を数える物差しは1本の直線ではなく、会社ごとに右端を合わせて当て直されます

転職して間もない人の受給判定はここで結果が動くのに、通算できる「条件」の解説はあっても「数え方」まで踏み込んだ説明はほとんど見当たりません。仕組みを図で押さえておきましょう。

区切りの起点は「その会社にいた期間の終わりの日」

完全月は1か月ごとの区切りですが、どこから遡って区切るかが会社ごとに違います。いま在籍している会社は育休開始日からみなし被保険者期間の区切りは業務取扱要領(育児休業給付)59523、通算する前職はその会社を辞めた日(離職日)の翌日から、それぞれ左へ1か月ずつ遡ります被保険者期間は離職票ごとに離職日から区切って通算する・行政手引50103・50104

前職(A社) 現職(B社) 離職日 ▼ ▼ 育休開始日 ここをまたぐ完全月は作らない 端数 完全月 完全月 端数 完全月 完全月 完全月 ← 離職日から1か月ずつ遡る ← 育休開始日から1か月ずつ遡る 区切り切れなかった各社の頭(斜線部)が「端数」になる

たとえば育休開始日が4月15日なら、現職の完全月は3月15日〜4月14日、2月15日〜3月14日……と「15日区切り」。一方、前職を10月10日に辞めていたら、前職の完全月は9月11日〜10月10日、8月11日〜9月10日……と「11日区切り」です。同じ人の経歴の中に、区切り日の違う2本の物差しが並びます。離職した翌日にすぐ再就職した場合でも、雇用保険の資格はいったん切り替わるため、この数え方は変わりません。

入社した月に19日働いても、1か月に数えられない

区切りが会社ごとである以上、会社の変わり目をまたぐ完全月は存在せず、2社の賃金支払基礎日数を1つの月に合算することもありません。「通算」とは、会社ごとに数えた月数を足し算することです。

このルールがいちばん効くのが、各社の「頭」、つまり入社直後です。ハローワークの記入見本には、入社月の頭の19日間に賃金支払基礎日数が19日あるケースについて「完全な1か月となっていないため、11日以上ある月としてカウントすることはできません」と明記されています東京ハローワーク「休業開始時賃金月額証明書 記入見本【例3】」。どれだけ働いていても、区切りに収まらない半端は完全月にならないのです。

そのかわり、頭の半端は0.5か月になることがある

切り捨てられるだけでは不公平なので、救済があります。各社の頭に残った半端は、日数が15日以上あり、その中の賃金支払基礎日数が11日以上(届かなければ賃金支払基礎時間数80時間以上)なら、0.5か月として数えられます端数の取扱いは業務取扱要領59523・行政手引50103に準拠。これは会社ごとに発生するので、転職した人は0.5が2つ、つまり1か月分まで積み上がる余地があります。

数字で見ると、現職で7完全月+頭の半端0.5、前職で4完全月+頭の半端0.5なら、合計12.0か月でちょうど要件に到達します。完全月だけ数えて「11か月で足りない」と諦める前に、各社の頭の半端を確かめる価値があります。端数の条件の詳細は端数月「0.5か月」が数えられる条件にまとめています。ただし端数込みでぎりぎり届くケースは窓口の運用で差が出やすいので、最終判断は必ずハローワークで確認してください。

休職は区切りを動かさない(動くのは「辞めた」ときだけ)

紛らわしいのが休職との違いです。病気や産前産後で長く休んでも、在籍したままなら雇用保険の資格は続いているので、区切りは1日も動きません。休みがかかった月の賃金支払基礎日数が減って0カウントになるだけで、無給の休みが連続30日以上あれば判定対象期間を延ばす緩和の対象になります。物差しが当て直されるのは、退職して資格が途切れたときだけです。

自分の経歴で区切りがどこに入り、どの月が数えられるかを手で追うのは大変です。本サイトの判定ツールは、勤務先ごとに区切りを作り、完全月と端数を法令どおりに数えて12か月に届くかを計算します。前職の入社日・離職日まで含めて入力して試してみてください。通算できる条件(離職から1年以内・失業給付の受給資格を決定していない)は前職通算の解説、要件の全体像は受給要件のまとめへ。

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※ 本記事は参考情報です。個別の受給可否の最終判定は、管轄のハローワーク(公共職業安定所)で行われます。