産後パパ育休(出生時育児休業)の取り方と給付金【2026年版】
産後パパ育休は、1歳までの育児休業とは別に取れる制度です。ここを「育休を前倒しで取るだけ」と誤解すると、出産直後に取れる28日分をまるごと取りこぼします。正しくは、出生後8週間以内に最大28日の産後パパ育休を取り、そのうえで1歳までの育児休業をさらに取れます。出産直後と、その後の長期。父親はこの2段構えで休めます。
産後パパ育休とは何か
産後パパ育休(正式には出生時育児休業)は、子の出生後8週間以内の期間で、通算4週間=28日まで取得できる休業です産後パパ育休=子の出生後8週間以内に通算28日まで・厚労省 育児休業制度特設サイト。対象になるのは、産後休業を取らない労働者です。出産した母親は産後休業に入るため、実質的には父親が中心の制度になります(日々雇用される人は対象外)。
最大の特徴は、1歳までの育児休業とは別枠であることです1歳までの育児休業とは別に取得できる・厚労省 育児休業制度特設サイト。出生直後にこの28日を使っても、1歳までの育休の権利は別に残ります。「最初の1か月だけ産後パパ育休、落ち着いてからまとまった育児休業」といった組み合わせができるのは、2つが独立した制度だからです。両者の違いを並べると、性格の差がはっきりします。
| 項目 | 産後パパ育休 | 1歳までの育児休業 |
|---|---|---|
| 取れる時期 | 子の出生後8週間以内 | 原則1歳まで(延長で最長2歳) |
| 取得できる長さ | 通算28日まで | 1歳まで(延長分を含む) |
| 分割取得 | 2回(申出時にまとめて) | 2回 |
| 申出期限 | 原則2週間前 | 原則1か月前 |
| 休業中の就労 | 労使協定があれば可 | 原則不可 |
| 給付 | 出生時育児休業給付金(67%) | 育児休業給付金(67%→181日目50%) |
2回に分けて取れる
産後パパ育休は、28日の枠を2回に分割して取れます子1人につき2回に分割して取得可能・厚労省 育児休業制度特設サイト。たとえば出産直後に2週間取り、いったん職場に戻り、里帰りから自宅に戻るタイミングでもう2週間取る、といった分け方ができます。妻の回復や上の子の事情に合わせて、休みを2か所に置けるわけです。
ただし注意点があります。2回に分けるなら、1回目の休業を申し出る時点で2回分まとめて申し出る必要があります2回に分割する場合は1回目の申出時にまとめて申し出る・厚労省 育児休業制度特設サイト。1回目を取ってから「やっぱりもう1回」と後出しすることは原則できません。分割を考えているなら、最初の申出で2回分の予定を会社に伝えておきます。
申出は原則2週間前まで
産後パパ育休の申出期限は、原則として休業開始予定日の2週間前までです申出は原則休業開始予定日の2週間前まで・厚労省 育児休業制度特設サイト。1歳までの育児休業が原則1か月前までなのに対して、産後パパ育休は短い期限で申し出られます。出産は予定日どおりとは限らないため、直前に動ける余地が確保されています。なお、雇用環境の整備などについて労使協定を結んでいる会社では、この期限が最大1か月前まで延びることがあります。
休業中に働くこともできる
通常の育児休業と違い、産後パパ育休は休業中に一部働くことが認められています。ただし無条件ではなく、労使協定を結んでいる場合に限られ、労働者が就業してよい日と時間帯を申し出て、会社が同意した範囲だけ働けます休業中の就業は労使協定がある場合に、労働者の申出と事業主の同意で可能・厚労省 育児休業制度特設サイト。
働ける量にも上限があります。28日をフルに取得する場合、就業できるのは10日まで、10日を超えるなら80時間までです28日取得時の就業上限は10日(10日超なら80時間)・厚労省パンフ2025改訂版。取得日数がこれより短ければ、上限も日数に比例して下がります。さらに、就業して得た賃金が休業前賃金(休業開始時賃金日額×休業日数)の13%を超えると、その分だけ給付が減らされ、80%以上になると給付は支給されません就業した賃金が休業前賃金の13%超で給付を逓減、80%以上で不支給・厚労省パンフ2025改訂版 p.4。少し働くことはできても、働きすぎると給付が削られる設計です。
もらえる給付金
産後パパ育休を取ると、出生時育児休業給付金を受け取れます。額は休業開始時賃金日額に休業日数を掛け、そこに67%を掛けた金額です出生時育児休業給付金=休業開始時賃金日額×支給日数×67%・厚労省パンフ2025改訂版。計算の考え方は1歳までの育児休業給付金と同じで、賃金日額は育休開始前6か月の賃金を180で割って求めます。
さらに、両親がそろって育休を取る条件を満たせば、2025年新設の出生後休業支援給付金で13%が上乗せされ、給付率は80%になります出生後休業支援給付金で13%上乗せ・給付率80%・厚労省 LL070801保04。給付は非課税で社会保険料も免除されるため、80%でも手取りは休業前とほぼ変わりません。この組み合わせと上限額の詳細は「育休中のお金はいくら?給付金の計算と手取り」で具体的に試算しています。
受け取れるかをまず確かめる
出生時育児休業給付金にも、受給資格の条件があります。育休開始前2年間に、賃金支払基礎日数11日以上の月が12か月以上あること。この要件は1歳までの育児休業給付金と共通で、ここを満たさないと産後パパ育休を取っても給付は出ません。考え方は受給要件のまとめと賃金支払基礎日数の数え方で整理しています。
本サイトの判定ツールは、月ごとの賃金支払い状況からこの12か月要件を満たすかを自動で判定します。産後パパ育休を計画する前に、まず給付を受け取れる見込みがあるかを確かめておくと、休みの組み立てがぐっと立てやすくなります。制度や手続きの詳しい案内は厚生労働省「育児休業等給付について」制度の公式案内にまとまっています。
無料の判定ツール あなたの場合、もらえる?を確かめる 出産日と勤務状況を入れるだけ。ブラウザ内で完結・登録不要。 判定する →※ 本記事は参考情報です。個別の受給可否の最終判定は、管轄のハローワーク(公共職業安定所)で行われます。